パーキンソン病の治療

人生とDBS

DBS治療は「しなければいけない」治療ではありません。ただ、上手に使えばパーキンソン病で失いつつある人生の一部を取り戻す手助けになります。STN-DBS、GPi-DBSのどちらであっても、いったん導入すればオフやジスキネジアは大きく軽減し、多くの患者さんでDBS導入以前のひどい症状変動からほぼ永続的に解放されます。

DBSを導入するかどうか、どういうタイミングで導入するかは人生観の問題といえます。50歳で発症した患者さんをモデルケースとして考えてみましょう。薬治療を継続しても、55歳からオフ症状が出現したとして、60歳ぐらいで働けなくなって64歳ぐらいから一部介助が必要になり、70歳前から全介助になっています。この患者さんが進行してからDBSを導入すると全介助になる時期は5、6年程度遅らせることができます。ただ、DBS後に一旦生活が自立するものの、すぐ部分介助は必要になってしまいます。もう少し早くDBSを導入すると、70歳ぐらいまで自立して暮らせる見込みが出てきます。さらに早い段階でDBSをした場合には、自立して暮らせる期間が長いだけでなく、働ける期間も延びる見込みが出てきます。

実際には経過の個人差や仕事による違いも出てきますが、若くしてパーキンソン病になった場合には、DBSをどの時点で導入するかは人生を大きく変え得ることがわかるかと思います。DBSが役に立ちそうな条件に当てはまるようであれば、一度は早めにDBSについて考えてみることをお勧めします。必要性や一番良いタイミングは、ご本人にしかわかりません。あなた自身でDBSの必要性を考えましょう。

執筆斎木 英資 先生(公益財団法人 田附興風会 医学研究所 北野病院 神経内科) 

 

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